何の因果か

注文してあったサメの胃が届いたので、早速内容物の調査を行う。本来なら頭と胃をセットで届けてもらい、捕食者側と被食者側の対応関係を見るはずだったのだが、何と業者に「頭とセットで」と言うのをすっかり忘れていたために胃だけ3つも届くという何とも困った事態に。というわけでデータにはならないが、そのまま捨てるのももったいないので様子見のつもりで開けてみることにした。



解剖風景。撮影はHた氏。何も言ってないのにまるで私の心境を表すような陰影を付けて撮影してくれるとは、さすがYahoo!ニュースに載ったイケメンPDである。



臓物をぶち撒けた図。上が胃で、下が腸。胃には鯖が一匹まるごと入っていた。実は胃を開けるまではてっきり下の腸の部分が胃だと思っていて、様子を見に来た人々に「サメの胃は螺旋状になっているんですよ」などと今から考えたら頭が沸いているとしか思えない説明をしたりしたのだが、みんな大人だから若さゆえの過ちだとして笑って許してくれるだろう。


胃から30cmクラスの魚が丸ごと出てきたり、鯖の外部寄生虫かと思っていた紐状の生物がよくよく見るとサメの胃の内壁にびっしり食い込んでいたりといろいろ衝撃を受けた日であった。しかし中でも、今日一番衝撃的だったのはこの作業をしていてお腹が空いたことである。今この駄文を書きながらも、写真を見ればお腹が「ぐーっ」と…。
いや、これはさすがに信じたくないぞ。