生態学会@福岡 雑感

3/14 初日
前日、遅くまで準備にかかってしまい、睡眠時間1時間の朦朧とした頭で伊丹空港へ向かう。7:40発の飛行機で福岡へ(ちなみに旅行会社から送られてきた旅程表には何故か7:50発と書かれていた)。天候やら何やらのせいで20分ばかり遅れ、9時過ぎに福岡空港に到着する。ホテルに荷物を預かってもらい、あまりにも眠くこのままだと体調を崩しそうなので、こんなこともあろうかと事前に調べておいた、博多駅交通センター内にある漫画喫茶へ。そこで3時間ばかし昼寝する。


13時過ぎ、T内さんから連絡を受け、地下鉄中洲川端駅近くにある『水たき長野』へ。
T内さん、ngtさん、I田さんと鍋を囲む。後で聞いたら、博多でも有名な水炊きの店らしい。博多の作法なのかこの店の作法なのか、普段食べているような、肉も野菜もごった煮するのではなく、まず鶏肉だけ煮て、スープ→鶏肉→鳥団子→野菜の順でいただくのだそうだ。
ということで、まずはスープ。鳥の出汁が出て、琥珀色に輝いている。陶器のコップに注がれたスープを、恐る恐る口に。「えっ…!?」脂っこさはなく、すごくさっぱりして美味い。アルプスのハープを弾くお姫様が飲むかどうかは知らないが、まさに気品に満ちたスープであった。
次は鶏肉。スープが出た後なのに、スープが出た後なのに、こんなに鶏肉が柔らかくて美味いとは…。「ンまぁーーーーいッ!!!味に目覚めたァァァーッ!あまりの美味しさに感動。箸がすすんで仕方がない。
あらかた鶏肉を食べ終わった所で、鳥団子が投入される。
具材の投入は全て店の人がやってくれるのだが…


「鳥団子はこちらが言いというまで食べてはダメですよ!」
「はい」
「今は沈んでいますが、そのうち浮き上がってきます。でもまだ食べてはダメですよ!」
「はい」
―10分後―
次々と浮かんでくる鳥団子。食べても良さそうだが…ここは我慢。
スタスタスタスタ
「まだ食べてはダメですよ!」
これが匠の技と言うものか。どこかで見ていたかのような、見事なタイミングである。そこかしこのレビューで書かれている“名物おばちゃん”とは多分この人のことだろう。そこまで批判するほどのものでは無いと思うが。


許可が下りたので、鳥団子をいただく。これもまた美味い…。普段食べるのよりももっさりしているというか、しっかりとした鳥らしい味がする。
そして最後に、濃厚な鳥スープの中に野菜が投入される。目を引くのは、大量のキャベツ。鍋にキャベツ!?と思ったが、実際食べてみると、白菜よりも甘味のあるキャベツの方が鳥スープに合っているような気がするから不思議なものである。大量のキャベツとネギを堪能した。


キャベツを齧りながら考える。
「向かいのI田さんは何故あんなにしらたきばかり食べているのだろう。器から溢れるほどのしらたき…無くなっては継ぎ足されるしらたき(この辺でゲシュタルト崩壊)…これほど極端なしらたきの専食者なんて初めて見た。本当に人の好みというのは様々だなあ。」


そんなことをボーっと考えるほど、この水炊き、肉も野菜も量が多い。普段その辺で食べる鍋よりも確実に多い気がする。「雑炊はどうします?」なんてとんでもない。そりゃあ心情としてはせっかくだから雑炊もいただきたかったが、野菜を持て余し気味だった我々に、とてもそんな余裕は無い。このまま雑炊を注文すれば、牛を表現しようとして腹がえらいことになったカエルのお母さんみたいになるのは目に見えている。というわけで、泣く泣く雑炊は諦めた。一通り楽しむなら、鍋は(人数−1)人前頼み、一品料理で満足度を補給するのがベストではなかろうか。


琥珀色の幸せに包まれながら、大きなお腹を抱えつつ店を後にする一行。鳥好きにとって、これ以上の幸せがあるだろうか。学会会場に向かう人々と別れ、一旦ホテルの部屋へ戻ることにした。時間は既に夕方。チェックインし、ベッドに仰向けになりつつ喜びを噛み締める。うーん、もうはいらない…むにゃむにゃぐうぅ.....





まさか初日の昼で力尽きるとは!
たわし頭は無事、博多を満喫することができるのか?
次回、とりあえずあの日記の分館、『「せいもん払い」で大名払い!?』に続く。