買ってよかったのはいいけれど

年末は何かにつけて出費が多くなる。もちろん新年の準備とかそういうものではなく、学会費や学会参加費のこと。この2ヶ月で支払わなければならないのは、

と結構な額となっている。そもそも毎月「未来の自分を信じて借金」の額ギリギリで生活しているのだから、これは懐にとってかなりの痛手であるはずなのだが、だからといって欲しい物を我慢することは出来ず、むしろ支出がある水準を超えると逆にそれが呼び水となって雪だるま式に増大してしまう、というのが人のsagaというものである。


そもそもの始まりは、永氏から来た1通のメールであった。

今ルネ(大学生協の店舗)で妖怪の本をいっぱい平積みで売ってるけどみた?17日まで2割引みたい

よ、妖怪の本を平積み…?何と良い世の中になったもんだ。これはアレかな?妖怪本の出版ブームがついに大学生協にまで及ぶようになったということかな?それとも生協の仕入れ担当が「あれ?(誰のせいかは知らないが)何かここ1年ぐらいで妖怪本の発注増えてねぇ?何かブーム来てねぇ?」みたいな感じでフェアでもしているのか。いずれにせよ喜ばしい事態には違いない。顔がにやけるのを必死でこらえつつも、うきうきとした足取りでルネに向かった。


ルネに到着。別に店舗内には「妖怪本セール」などの文字は見えない。ん?間違ったかな?一通り巡っても見つからず、諦めて帰りかけたその時!


ああ!何と入り口付近で、文学や美術書など価値は極めて高いけれどもなかなか数がはけないからか他の出版社があまり出さないジャンルのものを率先して出版し、なおかつその仕事の素晴らしさには定評がある出版会のいぶし銀国書刊行会様の本が平積みに!!!


しかもルネで見られる多くのセールは15%オフなのに、これに限って20%オフ!
凄い、凄すぎるぞルネ書籍部!!


自分の中の漢出版社ランキング2位(1位は双葉社)のセールとあっては見過ごすことも出来まい。ということで並んでいる本の中から未購入のものを探し出し、吟味に吟味を重ねて2冊購入することにした。

妖怪図巻

妖怪図巻

百鬼繚乱―江戸怪談・妖怪絵本集成

百鬼繚乱―江戸怪談・妖怪絵本集成

計8900円也。金はかかるが、次に出会えるのはいつか分からないし、このボリュームとクオリティの高さからしたら安いぐらいなので全く問題は無い。余は満足じゃ。


〜その夜〜
はぁぁぁぁ…温かい布団に包まって妖怪本を読むというのは至福の時やねぇ。…さてもう遅いしそろそろ寝るか。しおり、しおりっと…ん?

本の間からこのようなチラシがぱらり。

【現代語訳 江戸の伝奇小説 1】 復讐奇談安積沼/桜姫全伝曙草紙
清新な現代語訳で甦る、江戸幻想小説の世界。親の敵を尋ねる美少年善次郎、妻の密通相手に殺される役者小幡小平次陸奥を舞台に孝子の復讐と怨霊の祟りを描く『安積沼』。叶わぬ恋に狂う破戒僧清玄、様々な怪異に魘されて離魂病を患う桜姫、美女玉琴の怨霊に翻弄される鷲尾家の転変を描く『曙草紙』。

【現代語訳 江戸の伝奇小説 3】 飛騨匠物語/絵本玉藻譚
清新な現代語訳で甦る、江戸幻想小説の世界。仙境にいたり妙技妙術を会得した名匠墨縄の奇譚。碩学が和漢の古典を操って伝奇を織りなすSF的奇想小説の傑作『飛騨匠物語』。中国では妲己、天竺では花陽夫人、日本では玉藻前。美女に変身して災いをもたらした九尾の妖狐が殺生石と化すまでを描く『玉藻譚』。

(上記2点、国書刊行会オンラインブックショップより引用)


ふ、ふーん…。





あれ?そういえば“がしゃどくろ”ってこんな風に退治される妖怪やったかな?
がしゃどくろ - Wikipedia

日本霊異記」などによると

日本現報善悪霊異記 - Wikipedia


へー、結構書籍として刊行されてるんやなぁ。まあでも出版されたのが随分と前やし、古本とかでないと手に入らなさそうやなぁ。…っと。

平凡社平凡社ライブラリー]『日本霊異記』原田敏明、高橋貢口語訳。2000年1月発行。333p。




いやあ、ほんと情報化社会って恐ろしいですね。早く届くといいなあ。