京都の白い悪魔

先日、こんなやり取りがあった。


永「M田さん曰く、豆腐の美味しい店があるらしいで。」
た「ほ〜う、豆腐ねぇ…あんまり良いイメージないなあ。ぼったくり湯豆腐とか。」
永「でも京都に居るからには、せっかくやし美味い湯豆腐を食べてみたくないかい?」
た「なるほど、豆腐の実力というか、上限を見極めるためにもね。」
永「見極めましょうか?」
た「見極めましょう?」
永た「ふふ…ふふふ…ふわーっッハッハッハ!!!」


というようなやり取りがあったとかなかったとか。


先日の天麩羅部は既に解体されてしまっていたので、新たに“豆腐部”を結成。M田さんがネットで見つけた(なんじゃそら)お店である『やま清』に予約を入れ、3人でひょろひょろ出かけて行ったのであった。


注文したのは“定番・湯豆腐コース 3800円”+自家製ごま豆腐(要予約)。確かに豆腐自体の味が濃くしっかりとしていて、食べ応えがあり美味しかった。楽しみにしていたごま豆腐も、和歌山・高野山のごま豆腐とは少し方向性が違ったが、ごまリッチで非常に満足のいく味であった。


あと、おそらく生まれて初めて豆乳を飲んだ。あれは何?液体豆腐?あれを固めれば豆腐になるの?

大豆が完熟してからは、大豆を炒り粉にしたのが、きな粉。蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆、麹菌で発酵させると醤油・味噌、大豆をすりつぶし、搾って作るのが豆乳、豆乳を加熱した時、ラムスデン現象によって液面に形成される膜を湯葉

豆乳がまだ熱いうちににがり(凝固剤)を加えると豆腐。

http://www.tounyu.org/daizu03.htmlより。なるほど、やっぱりそうなのね。

先ず大豆に日光を当てずに栽培し発芽させ、数センチメートル伸びた芽を食べるのが「豆モヤシ」、畑で育てて未熟大豆を枝ごと収穫し茹でると枝豆となります。

そしてこれが例の「豆ちしきー」というやつか。


残念だったのは、おぼろ豆腐、くみゆば、ごま豆腐とどうしても冷製が続いてしまったこと。この時期はさすがに寒い。温かいものと冷たいものが交互に出てくればもっと良かったのにと思う。


ともあれ、今回の店は豆腐の力を知る上でなかなか良いチョイスであった。曲線的にも*1ずいぶん上の方に位置するだろう。豆腐フルコースで2年分くらいの豆腐分を摂取してしまったので、次に行くのはいつになるのか分からないけれど。


*1:満足度曲線。X軸に金額、Y軸に味をとったもので、多くの食品では対数増加し頭打ちとなることが経験的に知られている。ハタ亜科曲線(別名クエ曲線、Tawashihead(2008))などが有名。