今年のフィールド

今年は梅雨明けが遅かったせいと、梅雨前には体調不良のためフィールドに出られなかったせいもあって、胃内容分析用のサンプルを採集し始めるのがずいぶんと遅くなり、十分な数が集まるのかとずいぶんとやきもきしたが、いざ始めてみると獲れる獲れる、一日の捕獲数が25〜33匹/2時間とホント絶好調であり、人が多くて採集にならない(しかもやはり殺生は気が咎める)お盆までに何の問題もなく目標のサンプル数をクリアすることが出来た。いや〜、今年も彼らは順調に繁殖しているようである。
今年の地点Iの印象は、


・例年よりも少し水位が低く、また水草が非常に繁茂していた
両者に関係があるかどうかは不明。水草が水面まで繁茂する範囲が極めて広く、バスを釣ろうとして竿を振っていた人々はもれなく“水草釣り”をしていた。竿がしなって草が釣れて来る光景は非常にシュール。


・在来魚が少し多い気がした
特にコイ科の魚を良く見たような。昨年よりも増えているとしたら好ましい光景である。なんだかんだ言っても採集中は結構余裕があり、バスそっちのけで観察したりしていた。中でも昨年見なかったビワヒガイを見たのが印象的。彼らが採餌している光景はずっと見ていても飽きない。癒し系?ビワヒガイが採餌している光景を少し離れた所でブルーギルがじっと眺めていたのにはドキドキした。ビワヒガイのサイズとブルーギルのサイズから言って、捕食されることはありえないと思うが、もしかしたらこんなことが起きるかもしれんからね。


・バスの活きがディモールト良かった
昨年まででも活きの良い、つまり動きの激しい個体にはいくつか遭遇したのだが、今年はそういう個体が特に多いような気がした。捕まえても手の中でもがき続けるやつ、網に追い込んだと思ったら反転して凄い勢いで向かって来て、追いきれないこちらを尻目にまんまと逃げおおせるやつ(急激な運動によって剥離した鱗の破片があたかも残像のように)など様々な活きの良さがある中で、最も厄介なのは一撃の下に網を突き破る個体であった。確かに大きな個体ほど網を破って逃げる確率は高くなるが、こいつらは特別大きな個体というわけではなく、同じような10〜20cmのバス達の中にこっそりと紛れているのである。網に追い込むまでは全く見分けが付かない。しかもこういうやつらは好奇心が強いのか、逃げてもすぐまた網に寄って来るので何度も網を破られる羽目になるのである。1ターンキルって神のカードかよ。



フィールド最終日はいつものくら寿司でささやかな打ち上げ。そこで寿司を食いながらふと考える。1ターンキルか…もしオオクチバス遊戯王カードみたいにするならどういう性質のカードになるだろう?

オオクチバス外来種
☆☆☆☆☆☆
1.このカードは相手フィールドの3体の在来魚を生贄にして相手フィールドに特殊召喚される。
2.その時の攻撃力は、生贄にした在来魚の攻撃力の総和となる。
3.このカードが召喚された時、相手フィールド上の遊泳性魚類は全て墓地に送られる。
4.このカードは常に攻撃表示となる。
5.『カビ』『水温低下』のカードが相手フィールド上にある場合、このカードは召喚できない。
6.『刺網』『投網』のカードに対し、サイコロを振って出た目が6ならばそのカードを墓地に送ることが出来る(1ターンキル)。


強い、強すぎるぞオオクチバスちなみに性質3は、「オオクチバスが進入した環境では遊泳性魚類などよく動く生物からいなくなり、底生性などあまり動かない生物が残る傾向にある(だからそういうところはヨシノボリばかり)」ことを、性質4はオオクチバスの好奇心を、性質5は沿岸での出現時期と飼育経験からのカビに対する弱さを反映したものである。
だからといって自陣を底生魚ばかりで固めればいいというわけでもなく、

ヌマチチブ(国内移入種)
☆☆☆
このカードが自フィールドにある間、プレーヤーは毎ターン100×(自フィールドのヨシノボリの数)のライフを支払うことになる。

これは、観察してるとヨシノボリがヌマチチブによって不利益を被っているように思えることを反映したものである。


これは…いけるんじゃないか?カードの生産ラインが「まるで金を印刷しているかのようだ」と言われるほど、カードゲーム全盛であるこの世の中、うまく商品化すれば左団扇で暮らせるのでは!?



しかし待てよ。上の設定を活かす場合、どういう状況でプレーヤーが戦うことになるんだろう?




設定1.外来魚で相手を攻撃する。
設定2.在来魚を自陣に配備し相手の攻撃を防ぐ。
設定3.プレーヤーは「魚を有する何か」。
設定4.その「魚を有する何か」は外来魚により被害を受ける。
設定5.その「魚を有する何か」は「カビ」が流行ったり「水温低下」が起こったり「刺網」を設置したりする。



プレーヤー=“池”もしくは“湖”などの水環境






内水面王者 レイキング   Lake-KING〜

プレーヤーは湖!自フィールドに配備した在来魚は環境の良さの指標となるぞ!良い環境の湖ほど攻撃されても大丈夫!在来魚で自フィールドを守りつつ、相手フィールドに上手く外来魚を侵入させて相手を攻撃だ!!相手の環境を食い荒らせ!!ライフポイントが0になったら死の湖となりゲームオーバー!さあ、君も日本一の湖を目指して頑張ろう!!
大会会場のショップでは、会場限定の『琵琶湖デッキ』『霞ヶ浦デッキ』を販売中!!



相手の池に外来魚を侵入させ、在来魚を食い荒らしてダメージを与えるカードゲーム…これは立場的に駄目だろ。ということでボツね、ボツ。




胃内容分析用のバスは捕り終わったが、行動実験用のバスやヨシノボリをまた捕りに行かねば。困ったことに、これにはまだ全然着手していない。しかし今の胃内容分析だらけの生活の一体どこに実験をねじ込めばいいんだ?しかもこんな事言ってるうちに秋が来て、どちらも捕れなくなりそうだし。ウァー。