イメージ一新

それは、数日前のこと。


とーぼ「やっさん、14日空いてる?」
やっさん こと たわし頭「!? 2月14日?おい、それって…」



何これ?
俺いつの間にかとーぼルート?セーブポイントどこだよ!)


一瞬の間に、頭に浮かぶ失礼な諸々。
何のことはない、競馬場へのお誘いであった。
僕は競馬好き、というよりもレース好き。これで稼ごうとは微塵も思わないが、日曜日の競馬中継はたまに見たりする。以前から、ぜひ一度、競馬場に行って生のレースを観てみたいと言っていたのである。


ということで、とーぼ、たろうさん、T内さんの4人で、バレンタインデーの朝から競馬場へ
一応、日が日なだけに「とーぼ先輩、あの、これ…」と言いつつガーナチョコの空き箱を渡す、というネタを仕込んでいったのだが、奴が普通にモノをくれたので、ネタ潰しの憂き目に遭ってしまったのであった。


ちなみに、僕の競馬の知識は9割が『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』、1割が『みどりのマキバオー』である。そして競馬場のイメージは、そのほとんどが藤子不二雄Ⓐ作品と『こち亀』からのものである。



〜以下、そのイメージ〜


場内スピーカーから流れる「発売を締め切ります」のアナウンスと共に、発券所に殺到するジャンパー姿のオッサン達。
「オラ、突っ立ってんじゃねぇよ!邪魔だ!どけ!!」
「あっ、すんません」
「おう、兄ちゃん、予想、教えたろか?(手はお金のマーク)」
「あー、いや、結構です」
窓口のおばちゃんに、番号を告げる。
「えーっと、2-4...」
「えぇ?何?聞こえないよ!?」
「2-4、2-5、4-12、特券で10枚ずつ!」
「はいよ、はっきり喋んないと駄目だよ!!」
ゴール前に群がる坊主で裸の人々。響き渡る怒号。舞い散る紙吹雪。




おおよそ、こんな感じ。
なので、前日T内さんに「雨が降っても(吹きさらしの中)やるんですか?」と言う質問をして、なぜ苦笑されるのかまったく理解できなかった。


8時40分、京阪淀駅に到着。外から見た競馬場のあまりの綺麗さに、大層びっくりする。
そのまま、特A指定席3,000円の列に。ここなら屋内、しかもゴール前でゆっくり予想ができるとのこと。僕は口が裂けてもそんなこと言えないが、T内さんの言葉を借りて言うなら「愚民を見下ろしながら競馬する」。そもそも、屋内施設がこれほど充実しているとは全く知らなかった。CMで蒼井優たちがいるところは、てっきり屋外のベンチ前だと思っていたのである。
9時開場。入ってみて、これだけ大きな施設全体で暖房が入っていることに感動する。


最初のレースは10時スタート。それまでに時間が結構あったので、施設内を色々連れ回してもらった。



場内、大型スクリーン。



パドック。携帯のカメラしかなかったのが悔やまれる荒さである。


パドックの近くで『北海道の味覚フェア』のカニ汁とイカ飯を食べていたら、程よい時間になったので馬券売り場の方に向かう。時間がないので、席には戻らず1階の投票所へ。機械にお金を入れ、番号を塗りつぶしたマークカードを通すと馬券が出てきた。何ともあっさりした仕組み。窓口に向かって叫ぶ必要がないのは良かったが、何だかそれはそれで寂しいような気もした。


ゴール前に出て、レースを見守るたわし頭。
問題なく外したのを確認して、5階の特A席に戻った。
これが30分おきに12レースあるのだから忙しい。
前日コンビニで買った競馬ブックに、さきほど売店で買った赤ペンで印を付け、レース予想に勤しむのであった。


席の写真は取り忘れたので、JRAのページの写真からご想像ください。
http://www.jra.go.jp/facilities/race/kyoto/seat.html
蒼井優がうろうろしててもおかしくない、そんな小奇麗さです。




初めて当てた馬券。5-12、100円が1,150円に。
12レース終えて、当てたのは3レース。4,100円つぎ込んで2,740の払い戻しであった。
基本、1つの組み合わせにつき100円、1レースに多くて3組ずつしか賭けなかったので、当たってもたいした額にはならなかった。そもそもレジャーとして来たのだし、社会人様のように資金がたんまりあるわけではないので、これぐらいがちょうど良かろう。欲を出すと碌な事がないのは、これまでの経験上、自分でも重々承知しているのである。


途中、10番人気の『ドモナラズ』という変な名前の馬と9番人気の馬が1位、2位で馬連万馬券となったレースがあった(100円→69,180円)。もちろん外したのだが、実はこれ、最後まで名前買いするか迷った挙句、9番人気の馬だけ単勝で買うことにしたという、本人的には非常に悔やまれるレースなのである。ネタの心を忘れなければ…。これほど“あとの祭り”というのにふさわしい状況はあるまい。溢れるあとの祭り感、これを感じることができただけでも、今日来た甲斐があったというものであろう。



人生初の競馬場、非常に楽しかった。
レースの大小にかかわらず、また行ってみたいものである。
第4コーナー曲がってからの直線で迸る、自分を含めたオッサン達の魂の叫びと、急速に高まる場内のあの一体感をもう一度。